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アトリエ・エムフォオ 株式会社

Coporate Profille

 1901年創業の前田木藝工房は江戸指物の技術を受け継いできました。そして同工房の4代目、大作氏は07年にアトリエ・エムフォオを立ち上げました。動機はふたつ。ひとつはモノづくりに熱意を持つ人々と「今の生活の中で必要とされるモノ」を作りたいという理由です。
 もうひとつは前田木藝工房が30年前に拠点を移した信州(長野県)ならではのモノづくりです。植林された信州の木は成長して「使い時」にあるが実際はあまり使われていません。信州産の木材を使い、地域を盛り上げ、森林の整備につながればとの思いです。

Story

 木工にはさまざまな技術があります。指物(さしもの)とは「指す」という技術を用いてつくった制作物のことをいいます。木を板や棒に製材、成形した後、ホゾ組みなどで組み立てます。指物という名称はホゾ穴にさし込んで作る点や物差しを多く使うことから名付けられました。
 江戸指物は華美な装飾をせず「質実剛健かつ粋」といった特徴を持っています。江戸指物の場合、使用する木材は桑の木が多く、江戸時代、指物の代表的な製品はたんすや引き出しでした。戦後、生活様式の変化から主な製品はテーブルや椅子、キャビネットなどに変わっていきました。

Interview

 木工の前段階として、二酸化炭素の増加による地球温暖化、地球環境の問題に関して、私たちは次世代に道筋を示さなければなりません。若い世代に「木を使う」ことが地球環境の維持に有効な手段だということを実践して伝えたいです。
 カラマツは良い特徴もあるが欠点もある木。信州のカラマツをどうやって使えば魅力が伝わるか、失敗も含め、トライしていろいろなものを作ることが自分の役割だと思っています。現在、信州やカラマツを大切に思って活動している人々を見て、次の世代が「活動を引き継ぎたい」と思ってもらえれば良いと思います。

Recommendation

 アトリエ・エムフォオは信州ならではの製品作りにこだわっています。信州産の木を使い、手作りで心を込めた製品作りです。植林されている信州の木の約半分はカラマツ。12年3月から、その信州産カラマツを主に使った箸を発売しました。森林を保つには「木を育て、木を利用する」という循環が大切との思いを込め「育林箸」と名付けました。
 家具にも信州産カラマツを使います。指物は古くから金属と組み合わせた製品が多く、同社では木と鉄を組み合わせ、オジリナリティを追求しています。使用する鉄は信州産の繭からとった絹をこすりつけ、さび止めを施したものです。家具は受注生産。デザインは木の特徴を生かし、自社ですべて行っています。
 カラマツは木肌が赤く木目が際だち美しいのが特徴です。一般的に植えられてから20~30年の若いカラマツは加工するのに難しいといわれています。しかし、樹齢60年以降になると、そうした欠点も減少します。信州の木は植えられてから50年ほどの木が多く、これから10年、森林整備を続けていけば信州には多くの加工に適したカラマツが存在することになります。

アトリエ・エムフォオ 株式会社

atelier m4 co.,ltd.

URL: http://www.atelier-m4.com/
住所: 長野県松本市入山辺8961-1345



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