ReJAPON 日本語版・ 質が高い日本の伝統産業に、現代の感性を加え、新たな価値観を創出するReJAPONブランドを海外に向け発信します

Re-JAPON

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What’s ReJAPON? ReJAPONとは?

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質が高い日本の伝統産業に、現代の感性を加え、新たな価値観を創出するReJAPONブランドを海外に向け発信します。

「温故知新」

RJブランドは、日本の古代から続く伝統的な技法と歴史を重視しながら、現代的なライフスタイルに合わせ、“Quality of Japanese Life Style”を楽しんで頂けるセレクトブランドです。RJブランドは、日本各地で数百年に渡って作り続けられている伝統工芸品メーカーが、伝統の枠にとらわれないデザインや使い方、新たな提案を行うムーブメントをサポートしていきます。
長い歴史の中で磨かれてきた伝統の技術と現代的なセンスがクロスオーバーしたコレクションは、日本という枠を超え、世界各国の料理やワイン等の御酒とコラボレーションできる可能性を秘めています。世界中の暮らしの中にワンポイントで“和”を取り入れ、日本文化を楽しんで頂くこと、RJブランドの願いです。

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日本文化、器の歴史

(1)日本文化と器

東西約3,000kmにわたる細長い国土を持つ日本列島の自然は、四季の変化で様々な表情を見せます。日本人の精神的支柱はこの豊かで多様な自然を背景にした「八百万(=沢山)の神々」であり、その信仰を背景にした日本文化は、自然の多様な美しさを取り入れた「多様性」「寛容性」に特徴があると言われます。その特徴を示すのが日本列島各地で縄文時代に作られていた縄文式土器(じょうもんしきどき)であり、約1万6000年前から約2300年前にかけて日本各地で多様な土器が作られてきました。縄文式土器は世界最古の器の一種であり、日本で紀元前3500年前から始まったと言われる稲作文化と相まって、米と器をその生活の中心に日本文化が発展してきたとも言えます。

(2)日本人の宗教観と日本酒

豊かな自然を背景にした日本人の自然崇拝思想から生まれた、日本固有の宗教観である神道の儀式において、米と器と豊かな水資源を活用した日本酒が神前に供える供物として重要な役目を果たすようになったのは自然な流れでした。神道の祭礼において、御神酒(おみき)を神前に供え、祭礼終了後に神に供えられ霊が宿った酒を頂くことで、神様の霊力が直接体内に入ると考えられていました。8世紀初頭に記された「大隅国風土記」「播磨国風土記」には、日本酒のルーツとなる酒類の記述が残っており、その頃の日本酒は、神と民衆の交流をはかる集団儀礼の中で振る舞われるものでした。

(3)日本酒、和食と酒器

古代日本社会の中で重要な意味を持っていた日本酒を楽しむ道具である酒器も、早い段階から様々な形状の品が考案され、8世紀初頭には既に現在の酒杯の形状に近いものが、焼き物で使って作られていました。漆塗りの酒杯が使われるようになったのは15世紀頃から、磁器が使われるようになったのは18世紀末の江戸時代中期からです。日本には「器は料理の着物」であるという表現もあり、素材の新鮮さと盛り付けそのものの美に特徴を持つ和食文化の発展とも相まって、酒器や料理を盛り付ける器は多様化し、現在も日本各地で様々な形で進化を続けています。

陶器、磁器

日本人は、器の手触り、ぬくもりを楽しむ文化を持っています。そのため、日本の伝統的な食器には、「とって」が付いてないものが多く、飲み物だけではなく、ご飯茶帵や味噌汁帵なども、器を手に持って直接口を付けて使用します。
日本の焼き物は大きく分けて、陶器と磁器という2種類があります。陶器の原材料は粘度で、素地は荒く焼成温度は磁器よりも低く、約1000~1200度程度で焼くため割れやすい器です。しかし日本人は、割れた陶器の破片を漆や金などの人体に影響を与えない自然素材で“直し”、陶器を育てるという楽しみ方を編み出しました。土の温かい風合いを大切にして、絵付けをせず、釉薬の自然な流れを景色として楽しむ器が多く見られるのも特徴です。代表的な陶器には、産地名を冠した美濃焼、瀬戸焼、備前焼、萩焼、唐津焼、益子焼、信楽焼、常滑焼などがあります。
一方、石の粉を材料とする磁器は、大陸の技術を取り入れ、江戸時代から日本でも本格的な生産が始まりました。焼成温度は1300度前後と陶器に比べて高く、地肌が白く表面が滑らかなため、鮮やかで細かい絵付けを出来るのが特徴です。
その特徴を生かして、中国風の赤絵などのデザインだけでなく、酒井田柿右衛門に代表される日本独自の色鮮やかな絵付け技法が発達し、江戸時代後期にはヨーロッパにも輸出され、ジャポニズムを代表する商品として高い評価を得ていました。代表的な磁器には、伊万里焼、九谷焼、有田焼、砥部焼などがあります。

漆器

漆器とは、うるしの木からにじみ出る強い接着力と艶やかな光沢をもって出る漆(=樹液)を塗った日本の伝統的な器です。1本のうるしの木から、ひと夏かかって採取される漆の量はわずか200g程度で、お椀をようやく10個程度作れる量と言われています。
うるしの語源は「うるわし(麗し)」とも「うるむ(潤む)」ともいわれ、水に濡れたようなみずみずしい漆の艶やかさを先人が表現したものです。日本でのうるしの使用は約9000年前から始まっているとも言われ、当初は祭祀具に用いられる貴重なものでした。漆器は“ジャパン”と呼ばれるほど日本の代表的な器ですが、平安時代後期までは貴族だけが使用できるものでした。しかし平安王朝が崩れ、量産技術が開発されると、庶民にも広く使われようになり、中世には日本人の日常生活に欠かせない道具となっていました。
漆器造りの技術を元に、漆と金、銀で絵柄を付ける蒔絵や貝を使った螺鈿細工等の技法が開発され、豊かな絵柄の多様な作品が生まれました。津軽漆器、会津漆器、基礎漆器、輪島塗、山中漆器、京漆器など日本全国に産地が広がっています。

 

その他の伝統工芸品

江戸切子に代表されるガラス工芸、江戸時代の武士の礼服である裃(かみしも)から始まった江戸小紋等の染め物、織物、鉄器や銀器、釘などの接合道具を使わずに、木と木を組み合わせて作られる指物(さしもの)とよばれる木工芸など、日本全国には、何百、何千種類とも言われ多種多様な伝統産業が現在も残っています。日本人は伝統と現代を単に混ぜるのではなく、先人の経験と知恵が生み出してきた古き良きものと、現代の人々の新しい感性とを和えることで、また時代にあった新たな日本の産業として生き続けています。